箱根駅伝

親父が中学・高校と陸上部で長距離を走っていたという理由のためか、我が家では正月は毎年箱根駅伝をテレビで観戦しています。僕自身も大学駅伝は大好きで、特に全員がチームのため、襷のために死力を尽くす姿、そしてそれが学生であるというところに純粋な陸上に対する思い、帰属意識などを感じ、胸が熱くなります。

言わずもがな、日本の陸上を志した子供たちはみんな将来の箱根をめざして厳しい練習を重ねています。箱根は間違いなく日本の陸上界のビッグレースのひとつであり、国内の競技レベル向上に寄与してきたことは確かでしょう。

しかし最近、いわゆる大学生の「駅伝至上主義」と呼ばれるものが日本の将来的な長距離選手の芽を摘んでいるのではないかという意見を耳にしました。一区間約20km、ハーフマラソンの距離ばかりを走る選手は、卒業とともに陸上を止めていき、実業団に入る選手もそこから世界レベルのマラソン選手はほとんど生まれてこないということが危惧されているようです。

話を聞いてなるほどな、と思うところもありました。僕も参加している自転車競技に関していえば、学生の最高峰レースはインカレであり、その権威は絶大です。しかし大学スポーツでも人気の陸上であってもインカレはほとんど報道されず、出雲・全日本、そして箱根などの駅伝レースばかりが注目されています。中にはインカレをパスしてまでその期間に合宿を張り、駅伝に備える大学もあるようです。インカレこそが最大の目標と思ってきた自分にとっては、このインカレ軽視ともとれる大学陸上界の体制は異様とも思えます。

85回目を迎えた箱根駅伝は巨大スポンサー、メディアが背後につき商業的にも非常に大きな規模をもつ大会に成長しました。その中で各校も自らの宣伝もかねて駅伝に力をそそぐのは仕方のないことでしょう。

学生たちの思い・真の競技力向上・商業的側面

3つの両立はとても難しいかもしれません。ですがこれを克服してこそ、新しい日本の陸上の姿が見えてくるでしょうし、それは長距離だけでなくトラック種目でも同じでしょう。

やはり、個人的にも箱根で大活躍した選手が世界の舞台で変わらず活躍する姿を見たいですしね(笑

ちょっと正月から難しいことを考えてしまいました。